大阪府会議員

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みやけの提言

平成18年6月1日

< 私の提言 >

大阪再生は府市の浄水場再編から
―柴島浄水場移転構想―

大阪府議会議員 三宅史明

 宇宙船から地球を見た時に国境はない。同様に日本列島に地方自治体の境界線も見えることはない。しかし、現実には、この目に見えない線は、行政マンにとっては重大な意味がある。
 それは、自治体としての権限が及ぶ範囲は、そのまま自治体職員の思考の範囲であり、発想力の限界を示すものだからである。

 かつて右肩上がりの高度経済成長期には、大阪府と大阪市の「二重行政」もさして気にならなかった。共に先進自治体としての自負があり、互いにライバルとなり、よい意味での相乗効果が発揮され、結果として住民利益に還元された。

 しかし、近年、府市ともに深刻な財政難からか、多くの場面で互いに責任転嫁しあい、果ては、暗黙の内にともに手を付けない政策領域が広がっているのではないかと危惧する。
 特に、大阪の場合、単に二重投資の非効率性という以上に、大阪再生に向けた長期的なグランドデザインやインパクトのある世界戦略を描き切れないところに最大の問題がある。

 私は、平成17年12月定例府議会の一般質問で、太田知事に対し、新しい地方自治システム構築の議論もいいが、足元の府市の二重行政の解消にもっと本腰を入れて取り組んでもらいたいと注文した。

 その後、検討を約した答弁どおりに、本年(平成18年)2月に府市のトップ会談が開催され、4月には、府市の二重行政解消に向けた「府市連携協議会」が発足したことは、それなりに危機感の表れと一定の評価をしたい。本年(平成18年)9月をめどに各分野での協力や事業統合のあり方をまとめる方針を確認されている。

 その中で上水道事業も議題となっているが、私は地元の大阪市東淀川区に立地する「柴島浄水場」の移転についても、是非とも検討項目に加えていただきたいと考えている。

 柴島浄水場は、大正3年に建設され、大阪市民にとって欠かせぬ水瓶であり、51万㎡の敷地を有している。春ともなれば敷地の一部が開放され、花見の名所としても長く市民に親しまれている。

 単純に比較することはできないが、かつて東京都水道局は、当時西新宿にあった明治31年に竣工の淀橋浄水場34万㎡の機能を昭和40年に東村山浄水場へ移転し、その跡地が核となり、再開発計画として新宿副都心計画がスタートした。

 柴島浄水場も開場当時は、淀橋浄水場と同じく付近一帯は、都市近郊ののどかな田園地帯であった。それが、新幹線が開業し、新大阪駅ができた頃を境に周辺環境は一変した。

 特に私は、現在事業中の阪急京都線、千里線の連続立体交差事業に注目している。この事業は、鉄道と道路の連続立体交差化(鉄道高架化)により、多くの踏み切りを一度に撤去し、それまで鉄道によって分断されていた地域の一体化を図ることが大きな事業の目的のひとつである。

 残念なのは、この事業中区間に限っては、巨費を投ずる割に、その効果は望み薄といわざるを得ないことである。それは、地図を広げれば一目瞭然である。阪急京都線と千里線に挟まれた地域に広がる柴島浄水場の存在である。
 すなわち、鉄道の高架化が完成しても、依然として街は分断されたままなのである。

 府と市は淀川沿いに浄水場を三つずつ持つ。平成16年度の供給能力に対する実際の給水量の割合(平均)は府が67%、市が約54%と聞く。

 今後、府市の浄水場一元化による再編整備と供給余力の一元管理が実現できれば、柴島浄水場の移転を前提にした機能集約化もにわかに現実味を帯びるのではないか。

 私の提案は、府市ともに将来の水源計画、浄水計画をその根底から変更を迫るものである。

 いっそのこと水道事業者として府市双方の地方公営企業体の合併を先行した方が話が早いかもしれない。ハードルは極めて高いが、活力と魅力あふれる大阪都市圏のグランドデザインが描けるか否かの格好の試金石となることは疑いない。

参考:府・市の水道事業の比較